2010年05月27日
社員教育を派遣先に任せない
前回の続き。
では今後中小ソフトハウスはどうすればよいか?
プログラミング力では、間違いなく大手SIよりも中小ソフトハウスの方が上です。
実際大手SIが請け負った仕事の殆どといってよい部分が外部(ソフトハウス)要員が
作ったものですから。私も以前は発注する側にいて、実際に見てきましたが、彼・彼女らの
力は素晴らしいものがあると思います。
ただ、残念なことに、品質・納期・コストに対する意識は、発注する側の要望に対して
低いと言わざるを得ないことも確かです。またリーダクラスのマネジメント力も同様。
この原因は明らかで、大手SIでは入社した時からそういったことを体系的に社内教育、
あるいは規約・規程を通して徹底的に教え込みます。もちろん、それには大変なコストが
かかりますので、それを回収するために大手SIの単価は高くなります。
(注:それだけが理由ではないですが。。。)
では、ソフトハウスでも、発注元である大手SIの要求に応えるべく、同様の社内教育を
行ったとしたら。。。残念ながらその分をコストを発注元に請求することはできません。
(本来であればソフトハウスの品質意識が高まれば、その分大手SIにもメリットはあるので、
多少は面倒を見ても良いと思うのですが。。。)
その為、ソフトハウスでは必要性は感じながら(?)もその様な教育は疎かになってしまいます。
でもそれで本当にいいのでしょうか?
社員教育に力を入れず、同様の過ち(品質未達・納期オーバー等)を繰り返すソフトハウスは
遅かれ早かれ切られるのは目に見えてます。
ソフトハウスの20代~30代の若手技術者と話をすると、その点で彼らは非常に危機感を
もっています。QCDだけでなく、例えば上流SEになりたいが、「何をどう勉強すればいいのか?」、
「そもそも今のままでそのチャンスはあるのか?」といった自身の将来についても。
経営者の方も、そういった気持ちには当然気づいていることと思います。
ではどうするか?
まずは、経営者・管理職クラスの人間が覚悟を決めることです。
自社社員の教育を派遣先に任せるのは止めましょう。
そうしたところで、そのプロジェクト期間中に必要なことだけを、しかも小手先の手法を学ぶだけです。
社員の成長が自社・自部門の成長に繫がるのだと割り切り(?)、そのためにコストはかかることを
認識し、必要なことにはお金を出す覚悟を持つことが必要だと思います。
なんか、話が逸れてしまいましたが、次回具体的にどう教育すれば良いかの私案を書きたいと思います。