2010年06月01日
コスト意識を高めるには
QCDのQ「品質」の次はC「コスト」について。
これは品質と違い、実際に関わることが無い社員に対して意識を高めることは
なかなか難しい問題です。また技術者派遣を主としているソフトハウス経営者の
中には、効率は関係なく、残業をしてもらった方が多く金が入るので、あえてそ
ういったことには触れない方もいらっしゃるかも?
でも、結局は回りまわって自社に影響があるわけですから、技術者にはきちんと
コスト意識を持ってもらわなくてはなりません。
※効率が悪い技術者→次は使わない。
ユーザの導入コストが増える→ITは高い→仕事が減る。 などなど。
ではどうすればいいか?
最初に行うべきは、自社のお金の状況を隠さずに社員に伝えることです。
各人の原価が幾らなのか、それに対して売上が幾らなのか、部門・全社の収支状況が
どうなのかなど。今はどこの会社でも月次で管理されていることでしょう。それを
きちんと月次の数字を社員に伝える(数字だけでなく、その仕組み・計算方法も含めて)
べきです。さらには、賞与の計算方法や昇給基準も。
自身の原価がわかれば、時間単価は自動的にわかります。そうすると、自分の仕事内容
がその単価に見合ったものであるか?と考えるようになります。今よりも高い給料をも
らおうと思ったら、現状の単価以上の価値を顧客に認めてもらわなければならないこと
が分かれば、コスト意識は必ず高まります。(現状の給料で十分満足という人は除いて)
以前(2年強)勤めていたソフトハウスで、自分の部下に対して全社・自部門の収支状況を
説明しようとしたら、社長から「待った」がかかりました。
その理由は、「社員の原価について、なぜその金額なのか自分が説明できないから」でした。
(ちなみにその社長は、東大法学部卒の元通産官僚という所謂エリート様です。そんな人が
何故説明できないのか、未だに不明ですが。。。)
結局は、私の独断で、自部門の状況のみを毎月説明するようにしたら、部下達も初めて
聞く事ばかりで最初は戸惑いもあったようですが、皆お金のことを意識してくれるように
なりました。飲み会でもどうやったら自部門の業績が上がるかが話題になったり。
「技術者はお金のことは考えなくていい」ではなく、まずは自社を題材にきちんと開示して
その内容について話をしましょう。その会社のことを一番理解し、正確に伝えることが
できるのは経営者です。そうすることで、コストだけでなく、その他の事についても社員の
意識は高まると思います。
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