2010年06月03日

数字のトリック

土井英司氏のメルマガでこんな本の紹介が
ありました。

以前、同じ内容が週間モーニング連載中のエンゼルバンクでもあり、その時は立ち読み
だったためさらっと流した程度でしたが、就職関係に限らず、改めてこれを読んで、
数字を鵜呑みにするのではなく、その根拠を考えることの重要性を認識しました。

特に、テレビや新聞・雑誌、コンサル資料の数字などについては、注意が必要?

以下、引用。
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『「若者はかわいそう」論のウソ』扶桑社 海老原嗣生・著

<Amazon.co.jpで購入する>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4594062164/businessbookm-22/ref=nosim

<楽天ブックスで購入する>
http://bit.ly/cddcUq

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こんにちは、土井英司です。

本日の一冊は、かつてリクルートワークス研究所で、研究機関誌
『Works』の編集長を務め、転職エージェント漫画『エンゼルバンク』
のモデルにもなった著者が、雇用の実態をデータで暴いた、衝撃の一冊。

就職難や派遣叩きといった、流行りの俗説を一刀両断し、この国の
雇用問題の本質をあぶり出した内容で、『ワーキングプア』や『仕
事のなかの曖昧な不安』『若者はなぜ3年で辞めるのか?』などと
いったキャリア関連本も、実名入りで批判しています。

・都合のいい数字だけをピックアップする
・周辺事情を割愛する
・分母隠し

といった手法は、雇用問題に限らず、どんな場面でも用いられてい
る騙しの手法ですが、本書では、この3つの切り口から、さまざま
な風説のウソを暴いていきます。

結果、わかったことは、「かわいそう」なのは大卒ではなく高卒ブ
ルーカラーであり、大卒の雇用問題の本質は、大学進学率の急上昇
によるもの。

その証拠に、「新卒の正社員採用数は減っていない」ですし、「大
企業の新卒正社員採用数も減っていない」。

問題は、大学生があぶれていることにあるのです。

本書には、このようなデータに基づく気づきがたくさんあり、読む
だけでじつに刺激的です。

なかでも、企業規模と大学偏差値で離職率が変わる、と指摘した部
分は、今後の採用の参考になりました。

中小企業経営者は、本書を読んで、採用の基準を考え直す、そして
若いビジネスマンは、本書を読んで働き方を考えるといったように、
さまざまな読み方ができる本だと思います。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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世に流布される「誤った風説作り」には3つの手法がある。その一
番目が「都合のいい数字だけをピックアップする」という前記の手
法。このほかに、「周辺事情を割愛する」という手法。例えば、
「若者の非正規が増えている」と書く。しかし、ここには大学生の
バイトが含まれる。20年前に比べて大学生が6割増え、学生バイト
が倍増した、という「周辺事情」は無視されている。同様に、15年
前に比べて若年正社員が266万人減少、と騒ぐが、その間に若年人
口は570万人も減っているこちらは「分母隠し」という手法

自己信託と海外ピラミッドで維持できるのは、「大学卒ホワイトカ
ラー」の雇用だけだ。高卒ブルーカラーについては、海外移転によ
り少なくなってしまった。本当はこっちが問題なのに、大学卒の
「若者かわいそう」に振り回されて、まったく目が届いていない。
20年前に50万人以上いた高卒就職者は、現在約20万人弱

世の中には、こうした「対人折衝力を問われない仕事」が減ってい
るのではないか? だから彼らは生きづらくなっているのではないか?

「年配者のいる大企業に入れない」ことがかわいそう(彼はそう言
っていないが)という価値観自体も、もうおしまいにしたい。ソニ
ーも松下もトヨタだって50年前は若い企業にほかならなかった。楽
天やサイバーエージェントは、10年前に生まれたばかりだ。中小・
中堅でもいいから、そんな若くてキラリとした企業に入ればいいじ
ゃないか

高偏差値×大企業の組み合わせが、やはり転職率が圧倒的に低い

新卒の正社員採用数は減っていない
大企業の新卒正社員採用数も減っていない

第二新卒採用で、年収を50万円以上アップするケースは好況期で50
.3%、不況期でも43%

都銀出身者は、自らベンチャー経営者になるような人生は(三木谷
浩史さんのような才覚者を除けば)望み薄だが、これから成長する
であろう企業のナンバー2には容易になれる

転職をするとするなら、それは、社風や周囲と合わないと思ったと
き。仕事内容ではなく、社風のほうを、意思決定の軸にすべきだ

大学進学率が急上昇した国は、いずれも就職氷河になる

・派遣の本人給与は最低賃金よりも相当高い
・同等難易度の正社員給与にも遜色はない

なぜ企業は派遣を利用するか。包み隠さず正直に書こう。最大の理
由は、明らかに「解雇が容易だから」に他ならない

非ホワイトカラー職・3K職、中小企業は人手不足に悩まされる
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早速、本屋に走ります!?





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ゆき!!なので読書な一日
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Posted by 福岡で働くIT屋 at 08:39│Comments(0)
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