2010年08月07日

『デフレの正体』

昨日読了した本の紹介。

デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)

著者は日本政策投資銀行勤務の藻谷浩介氏。
本書は氏の講演の内容を纏めたもの。

~目次~
第1講 思い込みの殻にヒビを入れよう
第2講 国際経済競争の勝者・日本
第3講 国際競争とは無関係に進む内需の不振
第4講 首都圏のジリ貧に気づかない「地域間格差」論の無意味
第5講 地方も大都市も等しく襲う「現役世代の減少」と「高齢者の激増」
第6講 「人口の波」が語る日本の過去半世紀、今後半世紀
第7講 「人口減少は生産性上昇で補える」という思い込みが対処を遅らせる
第8講 声高に叫ばれるピントのずれた処方箋たち
第9講 ではどうすればいいのか① 高齢富裕層から若者への所得移転を
第10講 ではどうすればいいのか② 女性の就労と経営参加を当たり前に
第11講 ではどうすればいいのか③ 労働者ではなく外国人観光客・短期定住客の受入を
補講   高齢者の激増に対処するための「船中八策」

第1講~8講までは実際に公表された「現実の数字」を使い、現在メディアや政治家・評論家
が声高に言っている不況・デフレの原因・政策等について、それが如何に誤ったものであるか
の解説。
第9講~が、では今後日本が今後最低限「現状維持」するためにどうすればいいのかの
提言。
となっています。

正直、第1講~8講までは数字を追うだけでかなり疲れたので、さらっと流し読み程度で
いいかもしれません。(興味ある人は私のようにじっくり読むのも可)

それよりも本書の主題は第9講以降。それまでの数字の羅列で洗脳されたのかもしれませんが(笑)
書かれていることには納得です。
現在の経済が
 団塊世代の一次退職→彼らの年収の減少→彼らの消費の減退→内需対応産業の一層の供給過剰感
 →内需対応産業の商品・サービスの値崩れ→内需対応産業の採算悪化→内需対応産業の採用抑制・
 人件費抑制→内需の一層の減退
という悪循環に陥っていると言う点は確かにその通りだと。

その対策の1つとして、経団連や九州においては九経連や商工会議所などが声高に政府に対して
景気対策を求め続けてますが、実際にはその様な経営者が腹を括って自社現役世代の給与を増やせば、
消費が増えるという案が書かれてます。これについては現役世代として非常に共感です。
(増加分は団塊世代が退職することで余った人件費を回すことで、総人件費は増えない)
その他にも国や地方政治に対する提言もありますが、これは省略。

本書は国会議員、地方首長・議員、経営者全員に是非読んで欲しいと思う本です。
この本だったら、政務調査費で買っても個人的には許します!!(笑)





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Posted by 福岡で働くIT屋 at 17:39│Comments(0)
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