2011年05月28日

「できない」と言って「できる」のも実は迷惑


先日の西日本新聞の記事
電力供給問題 九電の「調達難」否定

内容的には、先日九電の社長が記者会見で
「原発が再開できない場合の代替手段として火力発電を考えているが燃料調達が難しい」
「なので今夏は節電をお願いしたい」
との内容の発言をしましたが、それに対して石油連盟の会長が「そんなことはない。十分に
足りている」と電力会社の発言を否定しちゃっというものです。

今も政府・原子力委員会・東電で福島での注水のことで言った/言わないともめてますが、
こういうのって、結局は
(1)誰かが嘘を言っている。
(2)判断するに利用した情報が間違っている。
(3)何らかの意図があって、恣意的に異なる情報を流している
のいずれかしかないと思うんですよね。

で、今回の件は、あくまで個人的な考えですが、
・多分、石油は大丈夫。だけど100%の保証はないので、万一の非難回避のために
 足りないと言っておこう(九電)
・実際に状況を調べてみたら大丈夫じゃないか。こんなので石油業界が非難されては
 たまらない。大丈夫なことを公表しよう(石油連盟)
こんなことだろうと思います。
あと、電気料金値上げへの布石もあるかもしれない??

なぜこんな事を考えるかというと、些細なことも含めれば皆さんも経験あるでしょうが、
『出来る』と言っていたことがその時になって『出来なかった』場合の顧客の怒りは
それはもう、すごいものがあります。めちゃくちゃ怒られ、叩かれます。
なので少しでも出来ない可能性があれば事前に『難しいです』『遅れます』などと布石を
打っておきます。『出来ない』と言っておいて『出来た』時は怒られることはないだろう、
その方が顧客に迷惑がかからないと考えるから。

でもね、実際はその場合でも顧客には迷惑がかかるんですよ。


例えば、顧客の立場で、システムをSIerに発注している状況で考えてみましょう。
そのシステムが稼働すれば、今までよりも事務作業にかかる人手を10人減らせて、
その分を営業に回すことで売上アップが見込まれ、それが7月に稼働予定です。
顧客はシステム稼働を見込んで事前に準備をします。事務所のレイアウト変更や
新営業要員の教育、ひょっとしたら不要になるリースPCの返却申請など。
この状況でもしシステムの稼働が遅れるようなことがあれば、その準備に掛かった
費用など無駄とはいいませんが、再調整などで余計にかかります。

では、遅れる危険があるので最初から言っておいたらどうなるか?
顧客は当然それに合わせて準備作業も遅らせます。そんな状態の中で、いきなり
「予定通りにできました」と言われても、何も準備ができていませんから当然
システムの稼働は遅れてしまいます。
この場合、余計な費用は発生しないからいいやん!って言う人がいますが、
実際には予定通りに稼働していたら得られたであろう売上が得られないことに
なりますから顧客にとっては損害が発生しているのと同じなんです。


今回の電力の件についても、「危ないから節電を」と訴えられると国民としても
例えば扇風機を追加購入したり、様々な省エネ・節電グッズを買ったりと準備
せざるを得ません。そんな状況で後から「やっぱり大丈夫でした」と言われても、
納得できません。だからといって、電力の場合は他社に乗り換えるということが
できませんから、結局抗議のしようもない。


まさか電力会社がここまで考えているとは思いたくないですが、それだけに
正しい情報を適切な時期に公表されることを節に願うのみです。




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Posted by 福岡で働くIT屋 at 07:39│Comments(0)IT
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